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悲しいので自分のために書きます。
去る3月20日に、伊藤計劃さんが亡くなられたそうです。とても信頼できる作家さんでした。 大蟻食様こと佐藤亜紀さんのブログに伊藤さんの映画評について書かれていたのを見て、伊藤さんのブログを知ってから時々のぞくようになったのは、伊藤さんの作家デビュー直前の頃。私も姉も、彼の愛情があって嘘のない映画評に信頼を寄せ、デビュー作の『虐殺器官』も読みました。 つい先日『ハーモニー』も読み終えて、次は何を書いてくれるだろうかと思っていたところでした。 生き辛さを感じている人間に、その漠然とした違和感を、明確に言語化して見せてくれる作家さんでした。とても、貴重な存在だったと思います。少なくとも私は、彼を水先案内人のように感じていました。『ハーモニー』を読んで、その気持ちを強くした矢先に、彼の訃報を知ってショックで言葉が出ませんでした。 残念でなりません。もっと彼の物語が読みたかった、というのが正直な気持ちです。ブログの更新が途絶えて、心配した頃に「入院してました」なんて言って戻ってくる。その繰り返しでもうしばらく、生きて書いてくれると、何の根拠もなく思っていました。彼の病が重いものであることをわかっていながら、そこまで楽観的にさせるほど、彼の文章は強く、その精神力も強かった、ということなのでしょうね。 ようやく、ご冥福をお祈りします、と言えるだけの落ち着きを取り戻しました。 伊藤さんが残した本は、3冊。うち1冊はゲームのノベライズなので、オリジナル作品として発表されたのは、たった2冊です。大切な、ふたつの物語。 このふたつの物語を書き残してくれたことを、深く感謝します。あなたのおかげでわかったことがいくつもあります。たぶんこれからも、何度も、大切に読んでいくと思います。
そこでわたしはふと考えた。この自己嫌悪という感情は、その感情を誘発する脳の機能は、どのような環境で必要とされ、進化上組みこまれたのだろうか、と。 (「ハーモニー」)
04/05 02:34 | よみもの |
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