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河童のクゥと夏休み
一昨日、文化庁メディア芸術祭の展覧会で上映があったので観てきました。優秀賞の山村さんの『カフカ 田舎医者』と2本立て。

クゥ公開当時は全然興味がなくて、CM見てもああ子供用夏休み映画だな~ってくらいにしか思ってなかったので、メディア芸術祭アニメーション部門の大賞になった時にはそりゃびっくりしまして。しかも講評には「クゥがなければ電脳コイルが大賞だった」と書かれてるし、コイル超えって半端じゃないよとまたびっくりしたのでした。

しかし確かに、平成19年度の大賞はクゥ以外にはなかったかも。
“子供用夏休み映画”としてももちろん優秀なんだけど、ある程度大人になった人間が観ると、身動きとれなくなるくらいのリアリティがある。クゥを拾った家族は、本当に普通の一般的な平均的な家族で、ちょっと隣を見れば同じように暮らしてる人はいっぱいいる。だから、少しずつクゥの存在が世間に漏れていく過程や、マスコミに対する浮かれと疲弊が実感のようにわかってしまって、観ている側に逃げ場がないのです。普通の小学生が「テレビに出られる!」なんて喜んでいるのを誰が責められるでしょう。普通の幼稚園児が友達におうちの中の話をするのを止められるはずもない。一般的な主婦がレポーターに激しく詰め寄られたら無視もできません。

それだけのリアリティを、監督は意地悪でも気負いでもなく、誠実に丹念に執念深く描き出している。20年想い続けた作品というのは伊達じゃありません。しかしその誠実さがまた逃げ場を許さない要因のひとつでもあり……ただの意地悪や気負いなら鼻先で笑ってやることもできるのに(笑)。
そこが原さんのすごいところなんだ。

という訳で、クゥはかなりすごい映画でした。人にすすめられるかというと…ちょっと…難しいかな。この重みを感じとってしまう人には辛い映画です。子供にはすすめられる。
あー、あと犬好きの人にはおすすめしません。とても格好良い素敵な犬が出てきますが……観ない方が良い!!

あ、あと主人公の妹ちゃんが子花ちゃんでした!! びびった! あの子うますぎる!

上映前にアニメーション部門受賞者シンポジウムも拝聴したのですが、以前しんちゃんのオトナ帝国でアイデアに詰まり、クゥ用に温めていたタワーに登るシーンを使ってしまったので、いざクゥをつくる時にまたそのシーンを使うかを迷ったというお話をされていました。結局は「自分の作品のトレードマークと思ってもらえれば」と使うことにしたとのこと。オトナ帝国でのタワーシーンは作画に感動してよく覚えてるんですが(もしかして湯浅さんだったのかな…と思ってる、未確認ですが)、クゥのタワーシーンとはテンションが全然違うので私はまったく問題ないと思っている。それに、作品の中に制作者のトレードマークを見つけるという作業はとても楽しいので(細田さんの飛行機雲とかね!)、タワーは今後も出していってほしい。むしろ。

『カフカ 田舎医者』は……山村さん大好きだし気持ち悪い画面大好きだし、声の演者がすごく良かったし、音も不吉で不気味で素敵だったんだけど、クゥ観たショックでほとんど記憶がありません! 後で単品で観ないとダメだこれ……。
クゥはそのくらい、カフカよりもっとずっと重かったんです。
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02/19 21:43 | 映画 | CM:0
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