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バルタザールの遍歴
バルタザールの遍歴 バルタザールの遍歴
佐藤 亜紀 (2001/06)
文藝春秋

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 その夜のうちにくじ引きで、私はメルヒオールを、彼はバルタザールを名乗ることに決め、そうして私たちは世間の圧倒的な無理解という茨の道を歩き出した。
(『バルタザールの遍歴』新潮文庫 1994.12.)

佐藤亜紀さんのデビュー作。オーストリアの若き公爵である、ひとつの体を共有する双子・メルヒオールとバルタザールの半生と、20世紀半ばの欧州の歴史の物語です。これは近代史の歴史小説であり恋愛小説であり幻想小説でもある。しかもどのジャンルにおいても半端なところがまったくありません。驚くべき密度! 文章は無駄がなく、日本人離れした表現のためにしばしば翻訳ものを読んでいるような気分になります。一人称で書かれているのですが、それ以外では絶対に表現できない物語なのです。これが投稿作でありデビュー作というのだから……背筋が寒くなりますね…。
現在では文春文庫で手に入りますが、私が読んだのは新潮文庫の初版。高校生の時に初めて手に取ったのですが、読みかけては何度も挫折し(…………)、この歳になってようやく読破することができました。当時は気づかなかったんですけど、解説が矢川澄子さんだったんですね。文春では違ったりするのか? 今度確かめてみよう。
矢川さんの解説通り、この上なく“贅沢な物語”です。
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05/06 00:15 | よみもの | CM:0
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